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2005年12月14日 (水)

みずほ証券の誤発注はシステムに問題があるのか?

みずほ証券の株誤発注の件で、みずほ証券や東証のシステムで未然に防げなかったことが問題にされている。
「人間」の責任が曖昧にされてはいないか?
まず、レッツらさんのブログのコメントに書かせて頂いたように、「1円」の株に群がる人間たちはどうなのか。
これについては、やはりレッツらさんさんも取り上げているように金融担当相の発言などでかなりの額の損失が返還されるようで、少しは人間味の感じられる方向へ向かっているようである。

ところが、東証のシステムに「欠陥」があったということで、東証の責任も問われている。
できるだけ人的ミスをカバーできるに越したことはないかも知れないが、完全に防ぐことは不可能である。さらに、安全弁を重ねれば重ねる程、人が油断するとともに、安全弁が破れた時の被害が大きくなると思われる。

一瞬のミスが重大な事態に継がる仕事はいくらでもある。そのような仕事のプロ達は、それに相応しい訓練と心構えを備えているべきであるし、大部分の人達は実際にそうであろう。

今回の事件に関して、ちょっとした指先の動きで何百億もの損害を出す可能性を、担当者やみずほ証券が全く予測できなかったということはないはずである。
様々なテクノロジーが発達して、人間が様々な危機から遠ざけられるのは基本的には良いことだが、実は「すぐそこにある」危機をしっかり認識することにもっと注意を払うべきだと思うのだが、どうだろうか。

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コメント

おはようございます。
危険の認識も、確かに必要ですが、私は設定した「警告」について、もう一度考え直す必要があります。
警告を人間の体でたとえると「痛み」だと思います。何か、体に異変があったとき「痛み」を発して訴えます。
システムに異常があったとき「アラーム」を鳴らして「警告」するように設定します。
今回のみずほの事故も、アラームがなったのにもかかわらず「解除」して、作業を続行したと聞きます。
羽田の電源事故も、アラームを解除したことが事故につながりました。
昨日、証人喚問があった姉歯氏も、「警告」を解除して設定しなおして、改ざんをしたようですね。
みずほの事故も、姉歯氏の事件も、人災なのに「天災」扱いです。
これは、それぞれの担当当局の責任逃れだと思いますが。

投稿: masasan | 2005年12月15日 (木) 03時35分

masasanさん,
適切な警告を出すシステムはもちろん重要だと思いますが,なかなか限界は低いのではと思います。
私は技術系の仕事をしており,コンピュータプログラムを作ることもありますし,いろいろな機器を使うこともあります。
プログラミングの際は,他人が使う場合は,できるだけ多くの事態を予想して警告等の設定をしますが,「危ない事態」はいろいろ予想できても,「あってはならない事態」を客観的に判断するのは難しい場合が多いですし,自分が使う場合は「危ない事態」にできるだけ警告を出し,「あってはならない」かどうかは使用時に自分で判断するようにします。
機器操作時に警告が出たら,その意味を充分に理解するよう努め,必要に応じ無視する場合は多いです。
ですから,強制的に処理を止めるような警告の方法は,新幹線や原発の制御システムなどを除けば実際にはほとんどあり得ないと思います。
基本は,「自分が今何をしているか」をプログラムやシステムに頼らず,自分の知識で,自分の思考力で,自分の責任で判断することだと思います。(計算偽造問題は意図的ですが,それをシステムで防ぐのは難しいと思います。)
それができないのは,不勉強か思慮が浅いか,要するに心構えが足りないのだと思います。
(masasanさんの論旨を取り違えているでしょうか?書いてるうちに同じことを言ってるように思えて来たんですが。)

投稿: WontBeLong | 2005年12月15日 (木) 22時50分

おはようございます
よく「モラル・ハザード」と言われている「ハザード」(注意喚起)と「アラーム」(警告)との違いを言いたかったのです。
アラームは、あくまで問題が解決できなければ解除できないようにしなければ、それはハザードに過ぎないと思います。

投稿: masasan | 2005年12月16日 (金) 09時58分

いつも取り上げていただいて恐縮です。ありがとうございます。

>一瞬のミスが重大な事態に継がる仕事はいくらでもある。

本当にそうですね。だからこそ、どんな仕事でもみんな誇りをもってやっていた。そして、新人には厳しく「そんないい加減なことしてたらあかん!」と怒られる。そして、2重3重のチェックがなされた。

今、そういう誇りがリストラと一緒になくなり、生き残った上司たちは、身の保身で精一杯。masasanさまがおっしゃるとおり、「担当当局の責任逃れ」になってしまうんでしょうね。

仕事への誇りが薄くなった分、仕事への集中力が、なくなってしまい、WontBeLongさまのコメントのように「不勉強か思慮が浅いか,要するに心構えが足りない」人だらけになってしまう。

仕事自体の責任感とか厳しさから、成績を上げ、いかに手を抜くかに変わってしまった価値観の中では、今後も、今までには考えられない事件や事故が多発する気がして、怖いですね。

投稿: レッツら | 2005年12月16日 (金) 21時05分

masasan さん,
> アラームは、あくまで問題が解決できなければ解除できないようにしなければ、それはハザードに過ぎないと思います。

そういうことであれば,私の当初の理解は概ね正しかったようです。
やはり最初のコメントで書いたように,新幹線や原発を異常検知時に止めるような場合以外は,アラームが出たときの状態が,「解決すべき問題」か,「今の条件では適切な状態」かは人間が判断するしかない場合が多く,テクノロジーが発達しても人間は従前通り,いやそれ以上に心構えを重視する必要があるのではと思います。

投稿: WontBeLong | 2005年12月17日 (土) 00時20分

レッツら さん,
まぁ,私もおっちょこちょいですし,「心構え」も十分かと言われるとまだまだかなとは思うので,そんなエラそうなことを言えたものではないのですが。
でも,自分よりも遥かに能力も社会的地位も高い人たちに,「心構え」の面で勝ってると思うことが多いのは,なかなか悲しく,歯がゆいことではあります。

投稿: WontBeLong | 2005年12月17日 (土) 00時28分

おはようございます
WontBeLongさまに啓発され、自分のブログに拙文をUPさせていただきました。ご笑覧ください。
ところで、人間の本質を問う重要な問題を私たちは論じていると思います。
普通でしたら、単なるシステム事故として見過ごしてしまうところでしたが、こうして考える機会を与えてくださり、ありがとうございます。
さて、私が申したいことは、例えば、自動車の自動運転システムを考えたときについて考えてみます。
前方に障害物を感知したとき、自動運転を手動に切り替えるのか、あるいは障害物を回避するブログラムを組むのか、どちらを選択するかについてです。
今回の証券事故は、みずほ側には「選択の余地」を与えてしまったため。また、東証側には「選択の余地」を与えなかったためにおきてしまったと思います。

投稿: masasan | 2005年12月17日 (土) 09時03分

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