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2006年1月22日 (日)

「ホネ付き肉」が来たのは輸出側だけの責任か?

米国から脊柱の混じった牛肉が輸入された件について,政府は一貫して「輸出側の責任」,「輸入再開の判断は正しかった」としているが,下に書くようにパブリックコメントを無視した結果であるのに,果たしてそうだろうか。

luxemburg さんmiyau さんレッツら さんmewrun7 さんみやっち さんなど,多くの人がブログで書かれているように,いくらなんでもひどすぎる事態に唖然とするとともに,拙速に輸入再開を決めた政府にも責任があると考える。

政府の責任をさらに重くする事として,パブリックコメントの件について触れたい。

政府は,昨年11月に内閣府食品安全委員会の審議結果についてパブリックコメント募集を行った。
その結果が,第123回食品安全委員会の議事に上げられている。議事録によれば,8846の意見があり,4割強が賛成,5割強が反対であったとのことである。
議事録を見る限り,審議結果がわかりにくかったことの反省や,米国の輸出体制に頼る事を問題視する意見については「別組織の管轄でありそちらに伝える」というようなことで済ませる議論を行い,反対意見が多いことを特に取り上げず,当初の審議結果を変更する必要はないと結論づけている。
これでは,なんのためのパブリックコメント募集なのか。9000近い意見が来て,反対が多数であるのに特に考慮しない,これでは単なる通過儀礼である。

特に,米国の輸出体制を疑問視する多くの声を無視して輸入再開したのに,政府に責任がないなどとどうして言えるのか。

米国の日本を馬鹿にした姿勢にも呆れるものがあるが,日本政府が国民を馬鹿にする姿勢も同様である。
パブリックコメント募集という制度を作りながら,また,その結果としての多くの反対意見を無視して輸入再開した政府の責任は重いのではないかと思うが,どうだろうか。

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コメント

TB&本文でのご紹介、有難うございます。

きいた話では、農水省、厚労省では、とても輸入する方向に話が進みそうにないので、内閣府の下に委員会を作ったものの、そこでも大もめになってしまったそうです。
常識のある識者なら、どう見てもアブナイと思ってしまう状況なのでしょうね。

そう、怒るべき対象は、国民の健康と生命を危険にさらすことをいとわない首相&政府だと思います。

投稿: mew-run7 | 2006年1月22日 (日) 01時41分

TB&本文でのご紹介、ありがとうございます。

>なんのためのパブリックコメント募集なのか。9000近い意見が来て,反対が多数であるのに特に考慮しない,これでは単なる通過儀礼である。

イラク派遣延長も過半数が反対だったと思いますが、考慮せず、7割か8割が賛成の女系天皇制は考慮する。これじゃ、自分に都合のいいことだけ民意といい、都合の悪いことは無視してとりあえず国民の意見は聞きましたよという通過儀礼になっている。

私もそんな気がします。

投稿: レッツら | 2006年1月22日 (日) 08時29分

mew-run7 さん,
すみません,本文中でお名前を書き間違えていますね。
コメントありがとうございます。
「和を以て尊しとなす」,基本的には好きな考え方なのですが,どう見てもあぶないと思っている識者でさえ,最終的には政府の意向に沿った答申をしてしまう,この日本的な風潮は問題で,こういうところにこそ,アメリカ的な白黒はっきりさせる考え方を入れる必要があるのではと思います。

投稿: WontBeLong | 2006年1月22日 (日) 11時44分

レッツら さん,コメントありがとうございます。
政府・与党は国民からの人気を重要視しながら(このやり方に賛同はしませんが),このようなところでは国民の声を無視するような行動を取る,これは,「所詮たいていの国民なんて,適当に派手なパフォーマンスを見せておけば,結局支持に回る」と考えているようで,国民をとてつもなく馬鹿にしていると思います。
ひとりでも,我々のブログを見て「これはマズいな」と思ってくれることを祈りたいです。

投稿: WontBeLong | 2006年1月22日 (日) 12時02分

いつも興味深く拝見させていただいています。
この記事と関連しませんが、WontBeLongさんのコメントを引用した記事をTBさせていただきました。
また、「興味あるブログ」へ加えていただき、ありがとうございます。さっそく私も自分のブログの「相互リンク」に付け加えさせていただきました。

投稿: OTSU | 2006年1月22日 (日) 15時46分

トラックバック、本文でのご紹介いただきましてありがとうございます。
パブリックコメントを寄せてくれた人には本当に失礼な話ですね。やはり輸入してみたら問題が生じたというより、 WontBeLongさんのおっしゃるとおり、そもそも輸入を決める手続きに問題があったということでしょう。
 これが責任問題であることをはっきりしないとまた同じようなことが何度も起こってしまうかもしれません。

投稿: luxemburg | 2006年1月22日 (日) 19時44分

OTSU さん,コメントありがとうございます。
今の時代,労働運動は非常に重要だと思いますので,ブログを興味深く拝見しています。
また,OTSUさんのブログの方でコメントさせていただきたいと思います。

投稿: WontBeLong | 2006年1月22日 (日) 21時48分

luxemburg さん,コメントありがとうございます。
多くの国民が,アメリカの検査体制に疑問を持っているのを無視して輸入再開し,結局検査体制に問題があった,それなのに政府の判断は正しかったというのは,誰が聞いてもおかしな話です。それを強弁するのは,「どうせたいていの国民は委員会の審議やパブリックコメントの結果なんて細かくは知りはしない」と考えているはずで,本当に国民を馬鹿にした話だと思います。
これは政府の姿勢として根本的に問題があり,おっしゃるとおり,また同様の問題が起こる可能性が大きいと思います。

投稿: WontBeLong | 2006年1月22日 (日) 21時56分

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