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2006年1月 8日 (日)

自民党の新憲法草案は障害者差別を助長するものではないか?

自民党の新憲法草案第二次案については,九条が議論の中心になっているが,他にも気になるところがある。
そのひとつが,第二十五条である。

(障害者及び犯罪被害者の権利)
第二十五条の二 心身の障害がある者は、差別されることな
 く、その尊厳にふさわしい処遇を受ける権利を有する。

「心身に障害がある」かどうかは医学が決めることである。心身の障害とは,広い意味で,単なる病気,怪我と何ら変わらないものである。そして,医学的に異常かどうかは,相対的に決まるものであって,絶対的に決まるものではない。つまり,極めて曖昧なものである。
そのように,画一的な定義ができず,単なる病気,怪我と本質的に差のない概念である「心身の障害がある者」という文句を憲法に謳う,つまり,通常の国民と区別することは,不用意なレッテル張りを助長することになるのではないだろうか。
わざわざこのような条文を新設することは,深い配慮に基づいているとは到底思えない。単なる世論迎合,人気取りとしか思えない。

同じ草案の第十四条に,
(法の下の平等)
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信
 条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又
 は社会的関係において、差別されない。

とある。
「すべての国民は平等」,これだけで十分であるのに,これに加えて,ことさらに心身障害者の差別禁止を謳うのは,人種や性別と並ぶほど他の国民と区別するべき存在だと認めることであり,また,これを作った人たちが「自分とは違う存在」と考えていることを示すものであり,これこそが現在の社会制度の中で「障害者」と位置付けられている人たちの尊厳を損なうことだと思うのであるが,どうだろうか。

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コメント

全く同感ですね。
憲法に明記することは逆差別だと、私も思います。
政治家の中には、心眼が盲目と思われるヒトが沢山見受けられます。
きっと、そんなヒトが作った草案なのでしょう。

投稿: masasan | 2006年1月 9日 (月) 10時31分

masasan さん,コメントありがとうございます。
そうですね。本文で「世論迎合,人気取り」と書きましたが,「作った本人達がそう思っているだけで,実際には世論から反発を買う」という事態になることを期待したいと思います。

投稿: WontBeLong | 2006年1月 9日 (月) 22時27分

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