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2006年2月 5日 (日)

「学者」竹中氏の政策は「机上の空論」か?

自分は,政治家としての竹中平蔵氏には胡散臭さを感じている。氏が「学者」だからである

経済学や政治学は,社会の発展にどれほど寄与してきたのだろうか。

自然科学の研究成果による科学の進歩はめざましい。例えば,ライト兄弟が初めて飛行機を飛ばしてから100年余りの現在,毎日無数の人たちが迷うことなく飛行機に身を委ねるばかりか,スペースシャトルが宇宙とも行き来するようになった。また,パソコンを日常的に使う今の若い人たちは,20年ほど前はハードディスク内蔵のパソコンは珍しく,外付けの10MB(GBではない)のものが10万円以上したことなど信じられるだろうか。

それに引き替え経済は,バブルに沸いたかと思えば十数年後には不景気だ,デフレスパイラルだなどと人々が嘆く状態になる。人が経済をコントロールする技術は大して進歩しているとは思えない。政治も然りで,IT技術並みに政治の技術が進歩していれば,今はもう地球上はパラダイスなのではないか。

だから経済学者や政治学者が怠けていたとか無能であるとは言わない。自分は理系人間であるので,そちらは知らない世界であるし,人間の行動を対象にするのは自然科学に比べれば大変な困難を伴うことは想像できる。しかし,経済学や政治学の学術的な成果を実社会に活用することは困難であることは上に述べたようなことから明らかであろう。

報道によると,郵政民営化法が成立し,竹中大臣が民間物流業者が郵便事業へ参入しやすくする規制緩和のための研究会を設置しても,当の民間物流業者は意欲を示さないそうである。
郵政を民営化しても一社独占なら民営化の意味はない。あれだけ擦った揉んだして,そのために極めて多くの議員や公務員の人件費を費やして,それで民営化の効果がなければ納税者は多大な損害を被ったことになる。竹中氏の「理論」のとおりには事が運ばなかったことになる。

「学者」である竹中氏に政治判断を任せるのは危険が大きいように思うのだが,どうだろうか。

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コメント

めずらしく、意見の食い違いを発見しました(笑)。
>経済学や政治学の学術的な成果を実社会に活用することは困難である
バブルは、その前のアメリカバブルの実証研究がなされる前に起こった気がします。それと、まだ、完全に解明はされてないです。そういう意味では、一部、おっとりしている部分もあるかもしれません(笑)。しかしながら、実証研究からケインズ経済学を立ち上げ、その理論をもって小泉内閣に至るまでの自民党政治は行われていました。理論が先にあるのではなく、実証研究から理論を組み立てるその手法からは、タイムラグは起こっても実社会に活用することを目指して研究されているので活用困難とは私は思いません。
ただ、竹中さんご推薦のマネタリストの考え方は、WontBeLongさんがおっしゃるとおり、理論から始まります。しかも、理論から変数を単純化し、いくつかの変数以外はすべて所与で考える。それをもって実社会に適応させようとする。ケインズは実証研究から変数を単純化し、実証研究と乖離しないように解明していきました。挙句の果てに、マネタリストの合理的期待形成学派は、合理的経済人ならこうなるはずだ!といって、分からない奴がおかしいという風潮にすらなってしまいました。本来は、経済学の世界ではこの方たちは異端者でした。ああいう考え方もあるんだよ。一理あるから、そういうことも念頭において、マクロ経済学は考えないといけないですね。って話でした。それが、気がつけば政治の中心にいる。そして、そのむちゃくちゃな論理で政治を行っている。そういう意味では、これからは「経済学や政治学の学術的な成果を実社会に活用することは困難である」と私も思います。タダの害です。

投稿: レッツら | 2006年2月 5日 (日) 09時12分

こんな記事を書きながら,私は経済学等には全く不案内(大学の一般教養どころか高校レベルの知識も忘れてしまっています)なので頓珍漢な部分が多いかも知れません。
ただ,付け焼き刃の知識によるとケインズ経済学は70年前に生まれたものであり,マネタリズムも30年ほど前から世に出てきたもののようですね。最新の理論がどんどん活用されるというような状態ではないのではと思います。
しかも,工学などと違って,誰もが認める理論というものはなかなか存在し得ないと思います。私自身の仕事に関連して考えても,どんなものをどう作るかという技術開発に関しては,割と目標に向かってまっすぐ進めるのに比べて,どんなものが売れるのか,作ったものをどう売るかとなると,なかなかこれといった答えは分からないものです。
そういう意味で,工学などに比べれば,比較的理論の実用化が困難なのではないかと思います。決して経済学などが「すべて机上の空論」であるというわけではなく,当然ながら実社会への活用を目的としているのですが,自然科学系の学問と並べて相対的に見たときの話です。
まあ,自然科学でも生物絡みの分野や気象などの,極めて複雑なシステムを扱う分野などでは,ひとつの現象に対して複数の理論があってどれが正しいかよくわからないというようなことはありますが。
誰もが認める理論というものがないと,「学者」はどれかの理論の支持者グループに属する場合が多いと思いますので,政治は自論にこだわる学者ではなく,いろいろな学者の考え方を総合的に勉強して,時宜に応じて取捨選択や再構成して活用できる人材が行う方がいいんじゃないかなと感じています。

投稿: WontBeLong | 2006年2月 5日 (日) 18時00分

たしかに~って思って読んでました。
竹中さんの学説が正しいかを立証するために、
リアルな世界で実験されてるみたいで、
怖いですよねぇ。

あの人は、他の人の意見をあまり聞かない気が・・・。

投稿: 悠羅 | 2006年2月 8日 (水) 19時20分

悠羅 さん,コメントありがとうございます。
そうなんですよね。せめて,日本中の経済学者の半分か1/3くらいの意見が一致する部分だけを実用に移すのなら,まだマシかと思うのですが。
小泉さんというパトロンを得て,自分の理論を実験しているみたいな感じを受けます。

投稿: WontBeLong | 2006年2月 9日 (木) 00時08分

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