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2006年3月19日 (日)

民間労働者は公務員賃下げが損か得かを冷静に考えているか?

ブログ「公務員のためいき」で,民間労組の幹部の方が,民間賃下げ→公務員賃下げ→民間賃下げの悪循環になっていると言われているとの記事があった。

やや驕った言い方になってしまうが,こんなことは始めからわかり切っていたことだと思う。
これまでに,自分はこれを予測する内容をネットのあちらこちらで書いてみたが,賛同されることは少なかった。(現実世界では結構賛同されたが,本音か社交辞令かはわからない。)
しかし,公務員賃下げを歓迎する民間労働者の人たちも,少し冷静に考えればわかるはずのことではないだろうか。
わからないのは,「公務員憎し」の感情が強すぎてそこまで思考が及ばないのであろう。
そして,そこまで公務員バッシングの感情が強まるのは,自発的なものではなく,何者かに煽られているのではないか。
格差を広げる「構造改革」を進めたい者たち,および何かしらの改革を行ったように見せかけたい者たちによる,弱者の不満のはけ口とするための,「マッチポンプ」のように見える。
つまり,公務員賃金が,比較の方法によっては民間よりも見えることを,さも重大な問題のように騒ぎ立て,それに対応するとして公務員賃金を下げることで,民間賃金を下げる効果と,「改革」の実績を上げたように見せかける効果が得られ,一石二鳥である。

日本人は,周囲の意見に逆らうことが苦手である。人と同じことを言っていれば,「まとも」な人間と見られると思うようである。公務員をバッシングする人たちは,それにより本当に得をする一部の人を除けば,単に周りに流されているだけではないだろうか。

公務員をバッシングする民間労働者の人たちは,一度,一歩退いた少し広い視点から世の中を見て,自身がより幸福な生活を送れるために本当に必要なことは何かをよく考えてみるべきではないかと思うのだが,どうだろうか。

ちなみに,これまでにこのブログで公務員に関して書いた記事を,自分の覚え書きを兼ねて書いておく。
公務員制度は改善されているのか?
日田市民は怒るべきではないか?
納税者は公務員の「お客様」か?
「公務員批判」に対する批判は「公務員擁護」か?
納税者は公務員の「お客様」か?(その2)
行政改革法案で刑務官を削減対象としないのは組合つぶしか?
国家公務員の「休息時間」廃止は民間労働者にとって朗報か?

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コメント

こんばんは。

煽られているというのは、少なくとも私の知っている人の中ではないと思います。煽られて庶民・弱者同士が愚かにバッシングしあう例も多々ありますが、違う気がします。

労組だけでなく、国、地域、会社中心の考え方をする人が減っているように思います。個人個人で評価を望む人も転職も増えています。公務員も、自衛隊・消防などのだれでもできない現場仕事には税金を、事務の人は削減を・・と望んでいるのでは?

若者は多分、雇用者からだけでなく、保険や税金によって搾取された気になっています。

稼ぐ人からは国や地方は赤字で税額は高いのに悪平等の待遇が鼻につくでしょう。
市民は公務員を選んだり、仕事を監視・指導することができない。そのもどかしさの叫びのように私は思います。マスコミは視聴率が欲しいので、利用して受ける話を流すでしょう。

総中流を理想としない人も増えているように思います。だから、WontBeLong様のお書きの
「自身がより幸福な生活を送れるために」の
幸福の価値観が個々人で、時代で、変わっている気もします。また戻ることもあるでしょう。

どういう社会が普遍的に幸せなのでしょうね・・

投稿: まるる | 2006年3月19日 (日) 20時37分

すみません、よく考えたのですが

バッシングが、それほど起こっていましたか?
「適性評価で収入や待遇の格差をつけてはどうか」「税金のこんな無駄遣いをやめてほしい」などはバッシングではないと思います。

公務員(多分)の方のブログhttp://www.ops.dti.ne.jp/~makinoh2/official/offcial.html

マスコミの一部週刊誌(文春など?)がひどいのでしょうか。報道の偏りもおおいにあるとは思います。しかし旧体制の問題も大きく、そこをマスコミの売れ行きのために揚げ足を取られてしまっているのでは。今までなかったからひどく見えるだけではないでしょうか?

投稿: まるる | 2006年3月20日 (月) 19時57分

まるる さん,
>若者は多分、雇用者からだけでなく、保険や税金によって搾取された気になっています。

しかし,これも情報に流されている部分があるように思います。自分が払っている税金の額と,自分が税金から受けている恩恵をきちんと把握した上でのこととは思えません。
もし,例えばテレビで,適当に数字をこねくり回して,嘘でも,「日常生活でこれだけの税金の恩恵を受けている,それに比べて平均的な納税額はこれくらい,これは外国と比べても非常におトクである」などと言えば,それを信じるのではないでしょうか。

>総中流を理想としない人も増えているように思います。

>幸福の価値観が個々人で、時代で、変わっている気もします。

みんな,きちんと自分自身で考えて答えを出しているでしょうか。流れに流されている部分はないでしょうか。そして,その流れを意図的に作っている人はいないでしょうか。

>どういう社会が普遍的に幸せなのでしょうね・・

私が現時点で考えるには,個々人によって価値観が異なる以上,基本は「総中流」ではないかと思っています。いろんな意味で平均的な人が中心を占め,個性的な人が周りを囲むという感じです。

>「適性評価で収入や待遇の格差をつけてはどうか」「税金のこんな無駄遣いをやめてほしい」などはバッシングではないと思います。

基本理念だけを見れば,たいていのことは正しく見えるものだと思います。問題はその具体的手段だと思います。日田市の例などは,バッシングを背景にしているとしか思えません。
ただ,私は公務員に対して評価で待遇差を付けるのはあまり賛成できません。民間会社でも公平・公正な評価というのは難しいものであり,まして非営利業務の公務員では極めて困難だと思います。極端に勤務態度の悪いものをはじくシステムは必要でしょうが,良い者を厚遇するシステムは,するべき仕事を疎かにしての点取りやノルマ達成に走らせかねません。「全体の奉仕者」たるべき公務員が,「偏った奉仕者」になりかねないと思います。

>公務員(多分)の方のブログhttp://www.ops.dti.ne.jp/~makinoh2/official/offcial.html

すみません,このサイトをどういう意図でご紹介されたのか分かりかねております。

>マスコミの一部週刊誌(文春など?)がひどいのでしょうか。報道の偏りもおおいにあるとは思います。しかし旧体制の問題も大きく、そこをマスコミの売れ行きのために揚げ足を取られてしまっているのでは。今までなかったからひどく見えるだけではないでしょうか?

嫌味に聞こえるかも知れませんが,仰っていることを素直に取れば,「確かに問題も多くあるが,今までになくひどく偏って報道されている」ということで,つまりはバッシングされているということではないかと思うのですが。
また,マスコミだけでなく,一般世論,特にネット上では結構激しいと思いますが。2chなどでは,世論ではないかも知れませんが,ひどいものです。
私は,昨今のバッシングが本当の問題の解決につながらないように見えるのが気になります。

投稿: WontBeLong | 2006年3月21日 (火) 04時03分

つーか、この春闘の活動で交流していると、民間企業に勤めている労働者はわかってるし、連帯意識はあるよ。

なにやら無理やり怒ってみせているのはみのもんたぐらいのものです。

投稿: ハマー | 2006年3月21日 (火) 10時58分

ハマー さん,
労働組合に積極的に参加しているような,ある意味,意識の高い労働者の人たちはわかっているんでしょうね。
労組同士としての連帯の重要性もわかっているでしょうし。

みのもんたを見ながら,「そうだそうだ」とうなづいている人たちはどのような人たちか,確かに実感としてはよくわからないです。本文でも書きましたが現実世界で会う人たちはそれなりに賛同してもらえる方が多かったですし。

投稿: WontBeLong | 2006年3月21日 (火) 15時40分

コメントありがとうございます。
感情的な公務員批判への反論は公務員として勇気付けられる思いです。

公務員の今回の給与の改定については、私自身はよいものだと考えています。私自身給与があがる地域で働いていることも事実ですが、必要なことだと思います。

まったく同じ仕事なのに給料が違うのはおかしいと思われるかもしれません。しかし、まったく同じ家に住んでも家賃が違うのもまた事実なのです。その意味ではやはり地方の公務員は恵まれているし、都市部の公務員はつらいところがあります。

仕事内容と給与の比較が重要であることはいうまでもありませんが、私としては、公務員の数と仕事の比較も重要だと思っています。世の中の流れではとにかく多いから、減らせとなっております。公務員といっても様々ですから、給料を減らしてでも数を増やしたほうがよいサービスにつながるだろうと思われることもままあります。

例えば徴税職員です。彼らは徴税対象者(法人)の大幅増加やや税制度の複雑化にもかかわらず、戦後増えていません。彼らにしてもよりよい仕事をするには数が少なすぎると思っているでしょう。

残念ながら、行政のありかたをきめている政治家連中には公正な公務員数の決定はできていません。節税という名の脱税をしているお金持ちにとっては彼らは少ないほうが都合がよいのです。権力の中枢にいるものは金持ちが多いので、当然徴税職員をふやそうという政策はでてきません。彼らの資産をしっかりまもってくれる警察は必要だということで警察官の増員が提案されるのはごく理にかなっています。

長々と失礼しました。

これからもよいブログを続けていってください。

投稿: カンカ | 2006年4月 8日 (土) 19時06分

カンカ さん,コメントありがとうございます。
私のように,きちっと税金を取られるサラリーマンとしては,徴収されるべき税金が完全に徴収されれば,少しは財政も楽になるだろうにと思います。
それをしないで弱いものイジメや公務員イジメをするのは非常に腹立たしく思います。

投稿: WontBeLong | 2006年4月 8日 (土) 22時35分

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