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2007年8月14日 (火)

ヒゲの隊長は何様のつもりなのか?

やや旧聞であるが,8月7日に先日の参院選で当選した議員の方々が初登院した。
その中に,自民党比例区で当選した,元陸上自衛隊イラク先遣隊長,佐藤正久氏がいた。

佐藤氏は,集団的自衛権に関する政府の有識者会合が「駆けつけ警護」(味方である他国の軍隊が攻撃されたときに駆けつけて応戦するもの)を認めるべきという意見で一致したとの話を聞いて,

イラク派遣当時,もしオランダ軍が攻撃を受ければ,情報収集の名目で駆けつけ,あえて巻き込まれて,正当防衛・緊急避難の状況を作り出して,憲法に反しない形で実質的な駆けつけ警護を行うつもりだったと語った。
さらに,そのために「日本の法律で裁かれるのであれば裁かれてやろう」というつもりだったとも語った

これは極めて重大な発言である。
一自衛官が,明示的に認められてはいない活動を,法に触れる可能性を明らかに自覚していながら,自身の判断で部隊に行わせるつもりだったというのである。
もし,そのような戦闘が行われていたら,その場で自衛隊員に犠牲者が出たかも知れないし,敵対勢力側の自衛隊への認識が変化してその後も継続的に被害が出たかも知れない。自衛隊員がイラクの民間人を巻き込んで殺傷してしまっていたかも知れない。

もし,そのような事態になっていたら,「裁かれてやろう」などという程度の覚悟で,どのように責任を取っていたのだろうか。
自らの生命を以て償うほどの覚悟があったのであればまだしも,「裁かれてやろう」などと発言するくらいであるから,それほどの覚悟はなかったのは明らかである。

政治的な信念のために確信犯を行うというのでは,日本赤軍や連合赤軍などと変わりはない。否,自殺した幹部がいる分,彼らの方がマシとも言えるかも知れない。

このような発言のバックには,安倍首相の世論操作の意図があるのかも知れない。
いずれにせよ,確信犯を行う意向を,しかも国家全体の意志として判断するべき事項を一個人で勝手に判断する思い上がった意向を公然と口にするような人物を国会議員として認めるわけにはいかないのではないかと思うのだが,どうだろうか。

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コメント

 コメントを頂き有り難うございます。私にも部下達の命の問題には考えが至りませんでした。反省です。
 佐藤隊長も有識者会合も、簡単に「駆け付け警護」と言っていますがイラクの地で「友軍」を攻撃している相手が何者であるかがそんなに簡単に判別できるとでも考えているのでしょうか。WontBeLongさんが仰るようにヒゲの隊長は世論操作のために担ぎ出したと考えるのが正解かも知れませんね。

投稿: hide | 2007年8月18日 (土) 09時59分

hide さん,コメントありがとうございます。
本文では問題の発言のバックに安倍首相の意図があるかも知れないと書きましたが,発言がほとんど報道されないところを見ると,首相自身ではなくスタッフの判断で言わせてしまって「これはやっぱりまずい」と思ったか,担ぎ出されていい気になったヒゲの隊長の勇み足だったかのどちらかのようにも思いますね。

投稿: WontBeLong | 2007年8月18日 (土) 23時09分

>もし,そのような事態になっていたら,「裁かれてやろう」などという程度の覚悟で,どのように責任を取っていたのだろうか。

「(生きて日本に帰ることが出来れば)裁かれてやろう」
自衛官はイラクに民間交流のために行ってるわけじゃありません。
当然自分が死ぬことも想定した上で彼の地に赴いたのです。その上での発言なのです。
それを「などという程度の覚悟」とは…。

もうひとつ。
ブログ主さんはイラクをどんな国だとお思いなのですか?
負傷者が出たかの知れない?
民間人を殺傷したかも知れない?(←この辺「いかにも」なバイアスがかかった発言ですね)
起こりうることでしょう。行くからには当然想定すべき事態です。
自衛官はかの国に遊びにいっているわけではないのです。

自衛官を兄に持つ者より。

投稿: | 2007年8月24日 (金) 01時02分

「自衛官を兄に持つ者」さん,コメントありがとうございます。
ただ,部下を積極的に戦闘に巻き込む覚悟と,佐藤氏本人の身の危険の覚悟とは質が異なると思います。
また,皮肉っぽい言い方をお許し頂ければ,基本的には戦闘は想定されていませんし,増して民間人を傷つけることは尚更です。なぜなら,「自衛隊が行くところは非戦闘地域」と当時の小泉首相が宣言したのですから。
なお,「いかにも」の意味が不明ですが,他の記事にもいろいろ書いている通り,私は自衛隊を否定しませんし,自衛官の方々に対する敬意と感謝の気持ちは常に持っているつもりです。だからこそ,自衛官の方々を不要な危険に晒すことはすべきでないと思っています。

投稿: WontBeLong | 2007年8月24日 (金) 02時06分

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