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2007年9月29日 (土)

日本はミャンマー国民のために経済制裁措置を取るべきではないか?

ミャンマーで続いている大規模なデモを取材していたジャーナリストの長井健司氏が,軍の兵士に至近距離から銃撃され死亡した
誠に遺憾な出来事であり,氏のご冥福をお祈りしたい。

この事件を受けて,米国や欧州が経済制裁強化の方向にある中,わが国の政府は制裁に慎重な姿勢である。

しかし,在日ミャンマー人からも制裁を求める声が上がっているそうである。

自分は,昨年の2月にミャンマーに関する記事を書いたように,ミャンマーにはやや強い興味を持っている。

ミャンマーは,1988年に軍が政権を掌握して以来,。1990年に総選挙でアウン・サン・スー・チー女史率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝しても政権を委譲せず,正常な政府が成立しないまま軍が政権を握って今日に至っている。アウン・サン・スー・チー女史は2003年に軍に拘束されて自宅軟禁状態のままである。

そのような状態のミャンマー軍事政権に対して,民主化を求めて各国が経済援助を凍結したり経済制裁を行ったりする中,わが国は多額の援助や輸入を行っている。

外務省の政府開発援助(ODA)国別データブック 2006ミャンマーの項によると,2005年度のODA実績は,「無償資金協力」が約17億円,技術協力が約16億円である。また,輸出入の対日収支は約120億円の黒字である。
また,2003年にアウン・サン・スー・チー女史が拘束されてからは,新規の経済協力案件については基本的に見合わせるとされているが,「緊急性が高く,真に人道的な案件」などについては実施されており,2003年以前より実施している案件は継続されている。

ミャンマーは,アジアの近隣国の中でもわが国とは縁の深い国であり,外務省に言わせれば「だから今の状況でも援助を続けている」ということだが,本当に援助等がミャンマー国民のためになっているのだろうか。
それを言い訳にして,外務省が予算を獲得したり,一部の企業が利益を得ることが真の目的になってはいないだろうか。

ミャンマーには正式な政府が存在せず,軍が暴力で政権を握っているにもかかわらず,近年はマスコミでも「ミャンマー政府」という言葉を使っているのをよく見かける。
また,近年では,軍事政権が外貨獲得のために力を入れている外国人旅行者受け入れ態勢の強化に乗って,旅行会社によるミャンマーへの観光ツアーも当たり前のように行われている。
「ミャンマーは軍が暴力で政権に居座っている非民主的で異常な国」という認識を持つ日本人は,少なくなっているのではないだろうか。
それは,ミャンマー軍政やわが国の外務省や一部企業の思う壺ではないだろうか。

ミャンマーでは軍の高官や軍と癒着した一部の企業に富が集中し,他の国民は極めて貧しい状態に置かれているようである。

日本政府は,ミャンマーを真の友人と考え,その国民の幸福を真に願うならば,わが国からミャンマーへ流れるカネや技術については確実に国民に届いているかを確実に確かめ,そうなっておらず軍政の利益になっている部分については積極的に削減する制裁措置を取るべきではないかと思うのだが,どうだろうか。

[記事作成時または作成後にTBさせて頂いたブログ]
天木直人のブログ ビルマと人権と日本外交
お玉おばさんでもわかる 政治のお話 軍隊は国民を守らない
日本がアブナイ! ミャンマーの武力鎮圧&民主主義の大切さ+給油新法+大相撲界にとって正念場

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» ビルマのジャーナリスト殺害に関する日本ヴィジュアルジャーナリスト協会の声明 [JCJ機関紙部ブログ]
JCJホームページ「メディアトピックス」に 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)の 日本人ジャーナリストの長井健司氏の死に対しビルマ(ミャンマー)軍事政権への「抗議声明」 を掲載しました。 また、10月3日の緊急集会のお知らせも掲載しています。 元の情報はこちら。 ■10月3日(水曜日) 開場 午後6時30分 開会 6時45分~8時30分 ■明治大学リバティータワー 1114教室(130名) JR御茶ノ水駅下車 徒歩3分 http://w... [続きを読む]

受信: 2007年10月 1日 (月) 23時47分

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