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2008年1月12日 (土)

新テロ特措法成立に思う-誰がこの国を動かしているのか?

新テロ特措法が,参院で否決後,衆院での3分の2以上の賛成で可決,成立した。
直近の選挙で示された民意を無視する暴挙としか言いようがない。

読売新聞によると,

今回の再可決について,与党内では「有権者の反発を招きかねない」との慎重論があった。しかし,有識者による「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)が再可決の積極活用を提言するなど,ねじれ国会の現状打開を求める声が強まったことが,与党の判断を後押しした。

とのことである。

この記事は,「中立で本当に国のことを考えている賢い人達が後押ししたのだから,間違ったことではない」と思わせたいのであろう。

しかし,自分から見れば,直近の民意の現れである参院での多数野党に否決され,与党自身が,有権者に受け入れられないと懸念しているにも関わらず,「数で押し切ってしまえ」と与党を動かすなど,「新しい日本をつくる国民会議」なるものが,多数の国民を無視して日本を操ろうとしているとしか思えない。

結果に対して何の責任も問われないのをいいことに,勝手な意見を好き放題に言う「有識者」なるものによって国が動かされるのは,極めて不快である。

ちなみに,「新しい日本をつくる国民会議」の2007年12月27日現在の主なメンバーは以下の通りである。

【共同代表】
佐々木 毅  前東京大学総長
茂木友三郎  キッコーマン会長
北川正恭   早稲田大学大学院教授
西尾 勝   東京市政調査会理事長
【副  代  表】
池田守男   資生堂相談役
古賀伸明   連合事務局長
福川伸次   機械産業記念事業財団会長
山田啓二   京都府知事
【主    査】
曽根泰教   慶應義塾大学教授
飯尾 潤   政策研究大学院大学教授
【顧問会議議長】
御手洗冨士夫 日本経済団体連合会会長
【特別顧問】
岡村 正   日本商工会議所会頭
桜井正光   経済同友会代表幹事
北城恪太郎  日本アイ・ビー・エム最高顧問
奥田 務   関西経済同友会代表幹事
瀬戸雄三   アサヒビール相談役
堀場雅夫   堀場製作所最高顧問
小林陽太郎  富士ゼロックス相談役最高顧問
宮内義彦   オリックス会長・グループCEO
浜田 広   リコー最高顧問
髙木 剛   連合会長
小柴昌俊   東京大学名誉教授
青木昌彦   スタンフォード大学名誉教授
石原信雄   地方自治研究機構会長・元内閣官房副長官
中坊公平   日本弁護士連合会元会長
安藤忠雄   建築家
三谷太一郎  東京大学名誉教授・日本学士院会員
佐藤幸治   近畿大学法科大学院教授・京都大学名誉教授
奥島孝康   早稲田大学学事顧問・前総長
安西祐一郎  慶應義塾大学塾長
屋山太郎   評論家
中村桂子   JT生命誌研究館長
船橋洋一   ジャーナリスト


このような人達に右往左往されることなく,政治家は自身の判断にもとづいて毅然たる態度を取るべきではないかと思うのだが,どうだろうか。

[記事作成時または作成後にTBさせて頂いたブログ]
お玉おばさんでもわかる 政治のお話 : 給油新法案きょう成立』憲法59条適用 是か非か
村野瀬玲奈の秘書課広報室 : なぜ衆議院三分の二による再可決を問題にするのか (インド洋対米給油新法について)

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2008年1月 5日 (土)

死刑廃止は是か非か?

自分は「死刑」というものに強い関心を持っているのだが,振り返ってみると一度しか関係する記事を書いたことがない。
他人様のブログ(「お玉おばさんでもわかる 政治のお話」のコチラの記事)にコメントをたくさん書き殴ってしまったので,とりあえずひとつ記事を書こうと思う。
また続きも書くつもりで,タイトルはシンプルにした。

自分は,前にも書いたが今のところ,ゆるやかな死刑廃止論者である。
すぐにとは言わないが,徐々に死刑は廃止に向かうべきだと思っている。

理由は,すでにいろいろなところで議論が尽くされていて,
るか さんのブログ,言ノ葉工房 の 死刑考
KEN さんのブログ,灰色のベンチから の メリークリスマスとデスペナルティー 【後半
などをご覧頂ければ,死刑廃止論の根拠は大体わかるだろう。

これらの根拠は,「理屈」としては反論の難しいものであろう。
「死刑存置論者」の反論は,「被害者遺族のほとんどは犯人の死を望むはずであり,それを叶えるべき」の一点に尽きている。

「理と情の対立に行き着く」とコメントされた方がいた。

果たしてそうだろうか,と始めは思った。

ところで,自分は「復讐心」というものを覚えている限りでは持ったことがない。

自分は他人から害を受けたとき,被害の回復や加害者の反省は望むが,復讐は望まない。怪我をさせられたら,その治療のための協力は望むが,加害者も痛い目に合わせようとは思わない。

加害者が自分に必要な相手であれば,家族であれ,総理大臣であれ,再発防止のための努力は望む。
特に必要のない相手であれば,他の人が同じ目に合わないためにも一応反省は求めるが,ある程度求めて実現しなければ,それ以上の努力をしようとは思わない。「そういう人なんだな」で終わりである。

上で「被害の回復」と書いたが,この「被害」とは具体的な「被害」である。
しかし,世の中には,具体的な被害に伴って生じた精神的な被害を,復讐によって回復することを望む人も多くいるのだということが,おぼろげながら理解できてきた。

自分は,精神的にクール過ぎるのかも知れない。「クール」といえば少し聞こえが良いが,別の言い方をすれば「冷淡」か。

そうだとすると,やはり死刑存廃論は,廃止論の「理」と,「復讐」を当然とする多くの人達の「情」との対立に行き着き,接点は持てなくなってしまうのではないかと思うのだが,どうだろうか。

[記事作成時または作成後にTBさせて頂いたブログ]
お玉おばさんでもわかる 政治のお話 : 死刑廃止論カテゴリー
言ノ葉工房 : 死刑考
村野瀬玲奈の秘書課広報室 : 死刑FAQ

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2008年1月 1日 (火)

[番外]天皇明仁さまの新年のご感想

新年明けましておめでとうございます。

宮内庁より,「平成20年の新年に当たり天皇陛下のご感想」が公表されています。
全文引用させて頂きます。

 昨年は石川県と新潟県に地震があり,厳しい冬を過ごす被災者の苦労が察せられます。大雨などの自然災害は少ない年でしたが,国民生活に不安をもたらすような社会的状況が幾つか明らかになったことは残念なことでした。

 新しい年が国民一人一人にとって幸せなものであり,世界の人々が互いに信頼し合って暮していける社会が築かれていくことを願っています。

私は昨年大晦日の記事で,
「財界と自民党と官僚のガチガチのトライアングルを一度きちんと壊さないと,この国は,一般国民が幸福であり,真の価値ある国際貢献のできる国にはならないと思います。」
と書きました。「財界と云々」は別にしても,この国にどうあって欲しいかという点では,天皇陛下と同じ思いなのだと嬉しく感じました。

「今年は分配より拡大」などと言って,日本全体が低調なのだから格差解消などよりも経済を発展させる方に力を注ぐべきだという論調が聞かれます。
また,「国際貢献,テロとの闘い」と称した,アメリカ盲従の動きも止みません。

それに対して多くの国民が抱いている不安を,やはり明仁さまはわかって下さっているのだと安心しました。

今の若い人には皇室に対して失礼な考えや言動をする人も多いようですが,皇室を敬う気持ちを理屈でわからせるのは難しいでしょう。
しかし,政治に関わることを許されない陛下が,このようなギリギリの形で国民を導いて下さっており,いわば国の「重し」となって下さっているということは,少しは理解できるのではないかと思います。

興味を持って調べたので,せっかくなので今世紀に入ってからの陛下の毎年のご感想を以下に引用させて頂きます。

■平成19年
 昨年も,大雪や豪雨,台風,竜巻などの自然災害で,150人もの人命が失われたことは痛ましいことでした。新潟県や福岡県では,地震災害のため,この冬も仮設住宅で暮らしている人々のことが心にかかっています。

 また,台風による潮風害などで稲作などに大きな被害を受けた地域もあり,農家の人々の心痛が察せられます。

 新しい年の始めに当たり,我が国と世界の人々の幸せを祈り,皆が,互いに信頼し合って暮らせる社会を目指し,力を合わせていくよう,心から願っています。

■平成18年
 昨年は,終戦から60年の年に当たりました。先の大戦では日本人310万人が亡くなり,また,外国人にも多くの犠牲者が生じました。私どもは戦争で亡くなった人々のことを決して忘れることなく,この多くの犠牲の上に今日の日本が築かれたことに思いを致さねばなりません。

 暮れになって降り始めた大雪で,各地で大きな被害が生じています。そのために20人を超える人々が亡くなったことを本当に残念に思います。自然災害の被害を受けた地域で,避難生活を続けている人々のことが案じられます。また,帰島を果たした三宅島の人々,帰島を果たせずにいる人々が共に健康を保つよう願っています。

 新しい年が皆一人一人にとって幸せなものであることを祈り,より良い社会を作るために皆が助け合って力を尽くしていくことを心から念じています。

■平成17年
 昨年は自然災害が各地を襲い,大勢の人々が被災しました。厳しい冬を迎え,被災者のことが案じられます。また,経済情勢がまだ十分に良好な状況にはなく,人々の苦労を察しています。

 海外では,紛争などにより,多くの命が失われ,非常に残念なことでした。それとともに,自然災害による犠牲も多く,特に,年末に起こった地震による津波は周辺の国々に大きな被害をもたらし,極めて多数の死者・行方不明者が生じたと報道されています。誠に痛ましいことです。12年前奥尻島などを襲った津波や,私の生まれた年に起こった死者・行方不明者三千人を超す被害を出したといわれる三陸地震津波などのことが思い起こされました。

 今年は,阪神・淡路大震災が起こってから10年になります。ここに改めて皆で過去の自然災害を顧み,安全性の高い社会を築いていくことに務めることが大切であると思います。

 年頭に当たり,国民の幸せを祈るとともに,皆が相互に,また,世界の人々とも相携え,世の平安と人々の幸せのために力を尽くしていくよう願っています。

■平成16年
 大勢の人々が病気のことを心配してくれ,また,古希を迎えたことを祝ってくれたことに,深く感謝しています。

 昨年は,冷害に加え,集中豪雨,台風,地震の災害が起こり,また,日本の経済や社会に厳しい状況が続きました。海外でも日本人を含む幾多の人命が失われるという悲しい出来事がありました。苦労多く,心の痛む日々を送ってきた人も多いことと深く察しています。

 新しい年に当たり,人々の幸せと日本の更なる発展のために,皆が互いに助け合いながら力を尽くしていくことを期待しています。

 本年が,日本と世界の人々にとって明るい年となるよう祈っています。

■平成15年
 厳しい経済情勢の続く中,新しい年を迎えました。

 振り返ると,平和条約が発効して初めて迎えた新年がちょうど50年前になります。この50年間に今日の日本を築くために人々が払った非常な努力に思いを致し,より良い未来を求めて皆で力を尽くしていきたいと思います。

 国民の生活には様々な苦労や困難があることが察せられますが,今年が一人一人にとって少しでも良い年となるよう願っています。

■平成14年
 昨年は,同時多発テロという悲惨な事件が起こり,日本人24人を含み,3千人を超える死者行方不明者が生じました。この事件により,米国,日本を含む各地の経済情勢は,今一層の厳しさを増しています。世界の安定と平和を維持するため,国々の間に更なる友好と協力が強く求められていることを感じます。

 現在,日本は,厳しい状況下にありますが,戦後の苦難を克服した国民の英知と努力を思い,国民がこの困難を必ず乗り越えていくものと信じています。

 本年が,日本と世界の人々にとって,明るい兆しの見える年となることを祈っています。

■平成13年
 21世紀に入りました。過ぎ去った20世紀を顧みつつ,新しい年を過ごしていきたいと思います。

 現在の我が国は,高齢化への対応や経済の回復など,様々な課題を抱え,人々の生活にも様々な苦労の多いことと,思われます。この困難を越えていくことによって,より堅実で心豊かな社会が築かれていくことを信じています。国民の一人一人が,互いの絆(きずな)を大切にし,更によい未来を目指して助け合っていくことを切に望んでいます。

 平和や環境など世界の問題についても,国民が,他国の人々と協力し取り組んでいくよう期待しています。

 本年が我が国と世界の人々にとって幸せな年となることを念じています。

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